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台北生活の体験日誌

#091-095
#091:近くて遠い距離[31/Jul/2002]

平行線

平行線というのは両端が何処まで伸びても交わることがないわけで、今の台湾と中国の関係はまさに平行線と言える。どちらか、もしくはお互いの主張を変えないことには距離は変らない。地理的な距離は大変近いのだが、まさに近くて遠い国同士である。
台湾の国民は独立志向?

何も中国と統一されているわけではないので独立というのは若干言葉に弊害があるがあえて独立という言葉を使いたい。国際社会が中国と国交を結ぶ際に台湾との断交が少なからずとも条件になっているからだ。

現在台湾の政治は独立派と統一派に2分される。独立派は陳水扁率いる民進党、李前総統率いる(といっても自身は立法委員ではない)台湾団結連盟で、政党のイメージカラーから青色に例えられる。統一派は連戦率いる国民党、宋さん(下の名前忘れた)率いる親民党で、緑色に例えられる。即ちこの両者の戦いは青VS緑と例えれらることが多い。

陳水扁は約2年前、それまでの国民党政権からの変化の中で初めて政権を奪った総統である。立法委員(日本で言う国会議員)や地方議員においては、今だ国民党が進めてきた金権政治の影響で統一派議員の方が多いのだが、総統選挙(民選)となれば国民は陳水扁を選んだ。国民は何を望んでいるのだろうか?もしかしたら現在のままの微妙な関係がいいと思っているのかもしれない。国民党の立法委員達は中国の金にまみれているので、いつ中国と一緒になるかわからない。香港などの例を見れば、例え1国2制度であろうとも決して良い選択とは言い切れない。となれば、例え実現しなくとも現在の緊張に耐えられる独立路線がベターというわけである。

民進党には最近51人の各界(政界、学術界、ハイテク界、医学界、企業界、社会団体等)の雄が集団で民進党に入党し、着々と足場を固めている。
陳総統2度目の宣言

先日(7/30)陳総統は民進党主席という立場で両岸政策を宣言した。総統就任時に続き2度目のことである。

【政治】陳総統「中国が武力放棄しなければ 我が方は態度を変えない」

陳水扁総統は昨日、民進党主席の立場で民進党の両岸政策を正式に宣言した。陳総統は1999年に初めて「台湾前途決議文」を通過させ、この内容は民進党党綱の柱となっていて、両岸問題処理への最高原則となっている。今回、陳総統は「中国が武力放棄をしないかぎり、我々は何も変えることはできず、このことを遺憾に思う」と述べ「中国が国際的に存在する台湾の尊厳を損ない、台湾人民の自主的な決定を尊重しない限り、両岸はますます遠くになる」とした。
(7/31会員.COMより)

うまいこと言うものです。独立という言葉は決して出さない。中国に対しては対話の席には着く準備はあるものの、武力放棄が大前提としている。もちろん、中国が武力放棄などに出てくるとは思っていない。しばらく微妙に安定した状態を続けておこうという意図があるのではないだろうか。その間に台湾は国力と世論を形成すればよい訳である。独立支持してくれる民衆が輪が大きくなることは、何にも変えられない力となる。

台湾人にはまだアイデンティティが無いと言われているが、確実に形成されている途中にある。
何が何でも1つの中国

対する中国。「一つの中国」一辺倒の主張である。歴史的に見れば一つの中国であった事実は一切ない。中華民国は蒋介石率いる国民党が南京に首都を置き建国されたが、その後共産党により失墜して、現在の台湾に逃げていった。その当時の台湾といえば、経済的に貧しかったため共産党はそれ以上追い込むことをしなかった。つまり容認したわけである。

陳総統の宣言に対してもやはり「一つの中国」だった。

【政治】北京は「一つの中国」を重ねて強調

陳水扁総統が民進党主席の立場で両岸関係に関する政策を発表したことに対して、中国国務院台湾事務所は、重ねて「一つの中国」の立場を強調した。陳総統の発言に対して敏感な反応は見られなかった。陳総統は中国の善意が欠如していると批判したことに対して台湾研究学者は「陳水扁が総統に就任以来の2年間で、中国はすでに多くの好意的な解釈を打ち出しており、台湾がそれを感じられないだけだ」と打ち返した。
(7/31会員.COMより)

同じ事を強調するだけで打つ手が無いようにも見えるが、中国は次の2つで台湾を追い込もうとしている。
  • 外交戦略
    #088「中国という存在」にて書いたように台湾の数少ない外交国に対して金銭を用いた攻撃を続けている。諸外国(特に日本)から多大な援助を受けているのに、どこにそんな金があるのだろう。

  • 商業戦略
    武器の売買等で台湾に売らないように圧力をかける。国だけに留まらず企業に対しても同じである。例えばドイツの企業が台湾に人工衛星を売却しようとしたところ、中国側の圧力によってご破算になったケースがある。

  • 軍備増強
    台湾海峡を挟んだ中国沿岸部には台湾に向けたミサイルが無数に存在するらしい。補強の手は緩めることなく増強し続けている。たまに練習などするもんだから厄介です。
非常識なやり方だと思うが、これら以外に方法がないのだろう。こうした行動を続けることによって、国際的に孤立した状況に陥っていくかもしれない。

#092:「別の国」と断言![05/Aug/2002]

ついに断言!

陳水扁総統は、ついに台湾の立場を明確に断言しました。民意が支持してくれるという確信が得られたことと、自ら率いる民進党の基盤が、角界著名人の参加によって、強化されたためと思われます。任期は残すところ2年弱ですが、今後独立路線を強く進めるものと思われます。

【政治】陳水扁総統「台湾と中国はそれぞれ別の国」

陳水扁総統は3日、東京で開かれていた在外の台湾独立派の『世界台湾同郷会聯合会第29期年会』に向けて放送していたスピーチの最後に、「台湾は自分の道を歩くべきで、台湾の将来は2千300万の台湾人民による直接住民投票によって決めるべきだ」との考えを発表。「台湾は我々の国家であり、別の人の一部分ではなく、別の人の地方政府でもなければ別の人の一つの省でもない。台湾は一つの主権独立国家であるから、第二の香港やマカオにはなり得ない。簡単に言えば、台湾と中国はそれぞれ別の国である」と述べた。
(8/5会員.COMより)

このスピーチのポイントは2点。1つは「別の国」という意思表示。もう一つは「直接住民投票」ということで、民意を最優先にするということです。

では、民意はどうか---

【政治】TVBS民意調査54%が一国論と認識

陳水扁総統が3日発表した「(台湾と中国は)それぞれ別の国」との認識談話について、TVBSが行った民意調査によると、54%の人が陳総統と同じ考え方を持ち、62%の人が住民投票を用いて台湾の将来を決めることに賛成していることが分かった。
(8/5会員.COMより)

台湾独立を支持する人は多いかと思いましたが、まさか半数を超えているとは思いませんでした。台湾としての国づくりに、光が見えてきたと言えそうです。

さて、この先中国はどういった動きに出てくるか、見逃せません。

8/4総統附見学

本内容には関係はありませんが、8/4に総統府を見学してきました。

総統府は総統が執務を行う場所で、日本軍統治時代には総督府と呼ばれていました。当時の建物がそのまま活用されており、韓国などで取り壊しされたのとは大きな違いです。辺りは行政機関が集中しており、それぞれの建物も日本統治時代のもので、整然と整備されています。日本軍の統治には賛否両論もあるでしょうが、台湾ではこれらのインフラの整備は近代化に不可欠なものであったと、認識してくれています。日本人としてありがたいことです。

普段は非公開なのですが、年に6回だけ中を見学出来るチャンスがあります。朝8時開門に30分遅れて行くと、既に長い列になっていましたが、30分ほど並ぶことで中に入ることが出来ました。

厳重なX線検査の後、右側のスロープより正面入り口に向かいました。赤い絨毯、風格のある階段、来客を迎え入れるホール等は流れた時代の分だけの厳格さを備えていました。(カメラはあったのですが、トラブルを避けるため撮ってません。あしからず)

建物全体としては古い学校のようで、老朽化のためか工事中の所も多く、大切に使っているような印象を受けました。各部屋は派手に飾ってあるわけではなく、機能的な造りです。総統・副総統執務室、来賓を迎える部屋、会議室、外交展示室、台湾歴史展示室など結構盛り沢山です。機会があれば是非オススメします。

#093:台湾人には番号付いてます[06/Aug/2002]

台湾人には番号付いてます

日本では8/5から導入された住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)で賛(?)否両論が巻き起こっています。参加しなかったり、任意参加を認める自治体が幾つかあるようです。現在日本に住民票のない筆者には、さしあたり影響はありません(多分そのはず)。

ちなみに台湾人は生まれながらにして番号が付けられています。各自が台湾人であるという身分証を持ち歩いています。この番号がコンピュータシステム上にあるかまでは知りませんが、少なくとも住所、氏名、生年月日、性別ぐらいは管理されているでしょう。他の国ではどうなんでしょうか?少なくとも台湾から見れば、大騒ぎするほどの事でも‥‥と感じます。
住基ネットの何が不満か?

では、何が不満を増大させているのでしょうか?
  • 番号を付けられること?
    「皆さんに番号を付けます」と改まって言われると、何か緊張します。でも大学に居た時は、学籍番号が付けられていて、テストの際に必ず記入しなければいけませんでした。パスポートにも番号が付いており、入出国手続を簡素化しています。ビデオ屋などの会員証を発行するお店では、番号を付けるだけではなく、何を購入したかといった嗜好性まで管理されていることでしょう。と言う意味では、今回数字を付けられること自体は、あまり抵抗感がありません。出来れば縁起の良さそうな数字が欲しいという色気はあります。

  • 管理されること?
    これはイヤですね。でも、わずか住所、氏名、生年月日、性別の4つだけの情報なのでいいかなと思います。出来れば付帯するサービス(住民票が不要になる)が直ぐに利用出来れば言うことなしなのですが‥‥

  • コンピュータシステム不信?
    一番大きな不信はコレでしょう。企業からの顧客データ流出のニュースは珍しいものではなくなってきました。先日、担当者がテレビでセキュリティを問われた時に「万全を期してはいますが‥」といった曖昧な回答をしていました。現場担当者がそんなことでどうすんだ!ばかたれ!
    俺だったらハッタリぐらいかましてるな。
近い将来、住基ネットが信頼され、便利なサービスとなっていることを願っています。日本に居ないもんだから、無責任ですが。

#094:チャーリー[08/Aug/2002]

実は動物好きではなかった

小さい時から犬好きではなかった。特にキャンキャン、ワンワン吠えつづける犬はうるさく、大型犬だったら食われそうな恐怖を感じていた。猫は恐怖感こそ無いものの、抱き上げた時のあばら骨の触感がなんとも言えなかった。

ところが、台北の犬は吠えない。商売繁盛の神(台北日誌#045参照)として可愛がられてはいるものの、過保護にされておらず、鎖にも繋がれず自由に過ごしているせいだろう。だから最近、犬が好きになった。日本のテレビ番組"ポチたま"も欠かすことなく観ており、人間っぽさを感じるまさお君には毎週笑わせてもらっている。
飼う事は断念‥‥

現在住んでいるマンションでペットを飼うことは、おそらく問題ない。しかし、昼間は留守にしている、狭い、ペットが居ることで外出を控えなければ行けないので、かえってペットが可愛そうな気がして飼う事は断念している。

将来的には、ぜひ!飼いたい!
漢方屋さんの犬

近所に昔ながらの漢方屋さんがある。年季の入った棚には名前こそ分からないが、体によさそうな匂いを発する漢方のビンが整然と並べられている。そこの老夫婦と主は新聞を読んで1日を過ごす。時々古い天秤で漢方を量っているのを見かけるが、あまり商売っ気がなく得意客だけを相手にしているのだろう。店の辺り一面は漢方の匂いで満ちており、ゆるやかな時間が流れている。ホッとする瞬間だ。

その店には犬がいる。このゆるやかな時間に逆らうことのなく、静かに悠然と振舞っている。名前は知らないのだが、勝手に名前を付けて呼んでいる。犬からすれば迷惑な話である。
チャーリーに漂う気品

全身がふわりとした茶色の毛に覆われた犬がチャーリー。茶色(=Brown)ということでSNOOPYのチャーリー・ブラウンから命名した(チャーリーブラウンは犬ではありませんが‥)。

一言で言い表すとすれば気品という言葉が相応しい。馬好きな人はその走る姿の美しさに感動するらしいが、チャーリーの動作は、馬に劣らず優雅である。
  • 歩く時、決して急がない。足の運びがスローモーションのように映る。
  • おすわりする時。背筋がピンと張っている。
  • 伏せる時。スフインクスの様な姿勢になる。
  • 呼吸。暑くてもハアハアしていない。
  • メシ食っている時。残念ながら、見たことがない。ナイフとフォークを使っていそう‥‥
飼い主の老夫婦や店の主とゆるやかな時間を共有して育った犬は、筆者のようなおっちょこちょいとは違った時を感じているのかもしれない。目が合った時に、心の中を見透かされたような感じがする。

ケンケンも居ます

白黒のブチがケンケン。後ろ足をいつもビッコしているが、その仕草からケンケンと命名した。普通の犬と比べれば物静かだが、お散歩が大好きである。最初の頃はビッコ引く姿が可哀想とも思ったが、悲壮感もなく可愛く思えてきた。

漢方屋さんの犬なんだから、びっこぐらい直ってもいいもんだが‥‥

#094:鼻毛[09/Aug/2002]

テーマに品なし

鼻毛の話です。品の無いテーマですが、本サイトは品を全面に押し出していませんので、断る必要もありませんが、なんとなく気にかかりました。今この瞬間に、鼻毛のことを書いている人は、そう居ないでしょう。
鼻毛の知識

1.機能

鼻毛の機能は鼻から吸い込んだ空気に含まれるゴミや埃を取り除く(除塵)ことにありますが、鼻自体が持つ除塵機能はもっと複雑で高機能です。

第一の砦:鼻

 鼻には嗅覚という匂いを感じる大切な働きがある。さらに、除塵という非常に重要な機能がある。除塵とは、埃を取ること。人間が吸った埃を最初に除去するのが鼻毛。ここでは繊維などの比較的大きな粗塵と呼ばれるものが捕らえられる。
 しかし、鼻の本当の活躍はその奥。鼻の粘膜と、その複雑な形にある。この複雑な形を作り出しているのが、鼻の粘膜で被われた鼻甲介(びこうかい)と呼ばれる襞の部分。鼻毛を通り抜けた埃の殆どが、この鼻の粘膜に付着する。捕らえられた埃は、線毛という一定の動きをする絨毯のようなもので咽の方へ輸送され、食道を通って体の中に安全な形で吸収される。しかし大量の埃に会うと、くしゃみが発生する。くしゃみは、肺にある呼吸筋の緊張が緩和された時に起こる。時速160キロのジェット気流で、異物や頑固な埃を体外に排出してくれる。

<参考>「発掘!あるある大事典/#109 埃」3.ほこりと戦う!防衛の秘密より

2.鼻毛の意味

一方、国語辞典で「鼻毛」を調べて見ると---

はなげ 【鼻毛】

 (1)鼻の穴に生える毛。
 (2)女にうつつをぬかすこと。また、そのような男。
 (3)愚か者。

――が長・い
 女の色香におぼれている。
――を数・える
 (1)「鼻毛を読む」に同じ。
 (2)相手の心中を見抜いて、機嫌をとる。
――を抜・く
 相手の心中を見すかしてだしぬく。だます。
――を伸ば・す
 女の色香に迷いおぼれる。
――を読・む
 女が自分にほれている男の心を見すかして翻弄する。鼻毛を数える。

<参考>goo[国語辞典]大辞林第二版より(一部抜粋)

なんと、愚か者や色に溺れる男性といった例えにされています。また、鼻毛がコンニチハしているとマナーとして失格としてとらえられますので、鼻毛には欠片一つもいいイメージがありません。

人体に不可欠で高機能なのに‥‥鼻毛に申し訳ない気持ちになります。ゴメン。
台湾人の鼻毛

台湾人の男性には鼻毛伸び放題の奴が多いです。日本人にもおりますが、伸び具合がただものでなく、5mm程度数本まとめてはみ出している兵もいます。見苦しいを通り越して笑ってしまいました。とても真剣には話し合えませんでした。その後、僕等は彼に「鼻毛」とアダ名を付けたことは言うまでもありません。

ちなみに女性の鼻毛は観察したことがありません。幻滅したくないので‥‥

自分の場合

日本に居たときよりも鼻毛の成長が早くなりました。台北の空気は車の排気ガス、埃の量が日本(住んでいたのは田舎ですが)に比べて遥かに多く汚いはずで、よって体を守るため鼻毛が頑張っていると思われます。素晴らしい!感動した。

よく伸びるので、時々はバカボンのパパ(⇒パパをクリックすると赤塚富士夫さんのページに飛びます。結構面白い!)になります。床屋ぎらいのためか鼻毛の手入れさえも面倒なので、鼻の奥に押し込むこともありますが、何本もコンニチハされると流石にヤバイと感じ、専用の電動鼻毛切りで一掃します。

「鼻毛」なんてアダ名は絶対に付けられたくないのだ。
これで、いいのだ。

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